日本からの参加例

DRYNET(農業・食品産業技術総合研究機構)

DRYNET – Setting an interdisciplinary/sectorial/international research network to explore dry storage as an alternative strategy for cells/germplasm biobanking

農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)黄川田様へのインタビュー記事についてはこちらをご覧ください

プロジェクトの目的

人為的な環境変化の中で、絶滅の危機に瀕する動物が増えている。種は一度絶滅してしまえば後戻りはできない。DRYNET は、乾燥後も水分を与えるだけで蘇生するネムリユスリカの分子機構を解明し、あらゆる生命の乾燥保存を目指す。実現すれば、画期的な種の保存法となる。

日欧協力について

農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構) 主席研究員 黄川田 隆洋様

私はこれまで、米国やロシアの研究機関と協力して、ネムリユスリカ(アフリカのナイジェリアなど半乾燥地帯に生息する昆虫)が干からびても死なない謎を解明する研究をしてきました。現在、幼虫の体内に存在する特殊なタンパク質と糖の作用が関わっていることはわかっていますが、全体像はまだ解明しきれていません。
 私の取り組みに目を付けてくれたテラモ大学(イタリア)の Loi 教授から誘われて、Horizon 2020 に参加しました。
 以前から私の研究室のメンバーは多国籍でしたが、Horizon 2020 に参加したことで、新たに欧州の人が研究室を訪れるようになり、研究室は “ 強制的 ” に国際化されました。最近の日本人学生は留学をしたがらず、研究現場は「島国化」しています。でも、国際化の影響で、学生たちは海外の人と向き合うことへの苦手意識を克服しつつあります。ある博士課程の学生は、英語で行っているラボミーティングでの発言が増え、自分で課題を見つけられるようになりました。私自身も 2019 年 9 月に 2 週間、イタリアに滞在し、ワインを酌み交わしながらディスカッションをすることで、「研究を生活の一部として楽しむ」というEU の研究者の姿勢に、多くのことを学びました。
 Horizon 2020 プロジェクトに参加することは、マネー(研究費など)以上の価値があると感じます。お互いをよく理解できるからです。さらに今回の交流をきっかけに、日本を好きになるEU の学生が増えれば、将来的に必ず日本の研究に役立つと確信しています。

Project Details

Project Participants

Coordination:

  • UNIVERSITA DEGLI STUDI DI TERAMO (Italy)

Organisations related to the project:

  • UNIVERSITA DEGLI STUDI DI CAGLIARI (Italy)
  • UNIVERSIDAD DE BURGOS (Spain)
  • AVANTEA srl (Italy)
  • BIOTALENTUM TUDASFEJLESZTO KFT (Hungary)
  • IMAGENE (France)
  • BIOBANKS AND BIOMOLECULAR RESOURCES RESEARCH INFRASTRUCTURE CONSORTIUM (BBMRI-ERIC)  (Austria)
  • UNIVERSITA DEGLI STUDI DI MODENA E REGGIO EMILIA (Italy)

International Partners:

  • NATIONAL AGRICULTURE AND FOOD RESEARCH ORGANIZATION (Japan)
  • CHULALONGKORN UNIVERSITY (Thailand)