欧州委員会マニュアル

役割およびアクセス権

役割およびアクセス権は、ユーザーが見ることができる情報と、実行できるタスクを制限します( 例えば、コーディネータの役割を持つ者だけが、草案プロジェクト提案を削除することができます)。アクセス権は、ポータルの個人用エリア(マイエリア)におけるユーザーの役割に関連付けられています。この役割は、組織内での役割、特定のプロジェクト/契約に関する役割、組織のLEAR(または他の権限者)による指名に関連付けられています。

どのようにアクセス権は管理されますか?

役割は、大きく2つに分けられます。

  • 「組織の役割」は、組織全体とそのデータに関連付けられています(ただしプロジェクトや契約へのアクセスは除きます)。
  • 「プロジェクト/契約の役割」は、まずプロジェクトの提案で定義され、その後、EUとの契約に進んだ際にプロジェクト/契約に役割の情報が転送されます。申請毎、プロジェクト毎に管理され、すべての種類のアクセス(読む/書く/提出する)に適用されます。

1人のユーザ-が、同時に複数の役割を持つことが可能です。

どのように役割は割り当てられますか?

役割の大部分は、組織およびコンソーシアムが、そのニーズに従って自由に割り当て、管理することができます:

  • 自ら申請の作成を開始することができます
  • 申請を作成した他のユーザーから、申請に参加するように案内されることがあります
  • 組織内の人が、他の人に組織の役割へのアクセスを組織に与える(または取り消す)ことができます
  • 申請の開始者(または進行中の申請に関与する組織内の人)は、申請内の役割へのアクセス権を与える(および取り消す)ことができます
  • 進行中のプロジェクト/契約に関与している人は、そのプロジェクト/契約の役割へのアクセス権を与える(および取り消す)ことができます

すべてのアクセス権は、ユーザ-のEUログインアカウントに関連付けられています。

例外

EUサービスは、以下の2つの主要な役割の割り当てに介入します。

LEAR (法人に指名された代表者) – 組織の役割
LEARは、ポータルの使用に関連する権利と義務を管理し、問題が発生した場合に主な管理上および法律上の窓口として対応するために、組織から正式に指名された人物です。通常、LEARは組織の中央管理部門の役職者です。LEARは、ポータル上のすべての組織関連データを処理し、組織内で助成合意書や費用請求に電子的に署名する代表者を指名します。
1つの組織につき、1人だけがLEARになることができます。
LEARは、参加者登録への登録の一部として、欧州委員会の認証サービスにより認証されます。詳細はLEARの指名を確認してください
主要コーディネーター-プロジェクトの役割
主要コーディネーター(PCoCo)は、申請のコーディネーター/グループリーダーの主な窓口/窓口担当者です。PCoCoは、ポータルで申請書を作成し、申請の主な連絡窓口となります。そのため、コンソーシアムを代表してEUに要請、報告、通知を提出することができます。

1つのプロジェクト/契約につき、1人のみがPCoCoになることができます。

申請段階および公募締切前に、PCoCoはこの役割を他の申請者に譲渡することができます。

その後(公募提出が締め切られた後)、新しいPCoCoは、欧州委員会によって役割を割り当てられます。このような交代が必要になった場合、コーディネータは「ポータルメッセージサービス」

    (「My Projects/My Contracts」>「Actions」>「Manage Project」/「Contract」)

を通じて、欧州委員会にリクエストを送信する必要があります。

例外的に、LEARが指名されるまでの間、仮登録者は特定の役割(上記の他のユーザーのいずれにも割り当てられていないもの)を担います。

役割-概要

以下の図は、ポータルで組織やプロジェクト/契約を管理するためのすべての役割を示しています。

Overview of roles in the Participant Portal involved in managing projects and organisational data

一部の助成金プログラム(例:ホライズンヨーロッパERCやMSCAの助成金)では、追加の役割が使用されます。詳細についてはを参照してください。

組織の役割

役割

説明

法人に指名された代表者(LEAR)

LEARは、組織がポータルを使用する際に正式に指名した主な責任者であり、ポータル内の組織に関するすべての事に対して最終的な責任を負います。

LEARは、以下のシステムに関する権利を有します。

  • 組織データの更新
  • 助成金/契約に電子的に署名する組織の代表者の指名/取り消し
  • 費用請求/請求書に電子的に署名する組織の代表者の指名/取り消し
  • LEARの業務を支援する組織内のアカウント管理人の指名/取り消し

LEARは、特定のプロジェクト/契約の法律上の署名者と財務上の署名者を割り当てません。これは、そのプロジェクト/契約のコーディネータ(CoCo)または参加者(PaCo)によって行われます。

仮登録者(Self-registrant)

仮登録者とは、ポータル参加登録に最初に組織を登録する人です。

LEARが認証される前に、仮登録者は、要請された組織に関する情報や文書をEUに提供することができます。

LEARが正式に認証されると(通常、欧州委員会の認証サービスによって組織が認証された後)、仮登録者の役割は失われ、LEARが後を引き継ぎます。

アカウント管理人(AccAd)

LEARは、1人または複数のアカウント管理人に業務を委任することができます。LEARが全責任を負いますが、アカウント管理人はLEARの業務を実行することができます。組織は、アカウント管理人を制限無く有することが可能です。

組織が新しい者をLEARとして指名した場合、既存のアカウント管理人は存続しますが、新しいLEARによって取り消される可能性があります。

法律上の署名者(LSIGN)

LSIGNは、LEARまたはアカウント管理人によって指名されなければなりません(図3参照)

LSIGNはコーディネータまたは研究者によって、特定のプロジェクトに割り当てられます(図3参照)。組織は、LSIGNを制限無く有することができます。

財務上の署名者(FSIGN)

FSIGNは、LEARまたはアカウント管理人によって指名されなければなりません(図3参照)

FSIGNはコーディネータまたは研究者によって、特定のプロジェクトに割り当てられます(図3参照)。組織は、FSIGNを制限無く有することができます。

主要監査連絡窓口(PAuCo)および監査連絡窓口(AuCo)

監査の役割は、組織が監査される場合にのみポータルで割り当てることができます。

LEARには、自動的に主要監査連絡窓口(PAuCo)が割り当てられ、組織内の他のPAuCoを指名することができます。

また、PAuCoは、組織に関する監査の主な連絡窓口として、少なくとも1人の監査連絡窓口(AuCo)を指名し、さらに、AuCoと監査の両方を組織内の監査チームに割り当てる必要があります。

PAuCoは、その組織に対して以下のシステム権限を持ちます。

  • 組織の他の PAuCo と監査の AuCo を指名するタブをクリックします。
      「My Organisation」 >「Actions」>「View Roles」で、「Roles」

    詳細は、で説明しています。

  • 組織内のチームを管理して、監査と監査窓口を割り当てるタブをクリックします。
      「My Organisation」 >「Actions」>「View Roles」で、「Teams」

    詳細は、で説明しています。

  • その他の役割を取り消す。

AuCoは、自分が所属するチームに他のAuCoを指名することができます。また、チーム内の他のAuCoを取り消すことができます。

チームに割り当てられたAuCoは、監査について以下のシステム権限を持ちます。

  • 自己の組織の監査業務の実施
  • EU審査員とのコミュニケーション(正式な通知書の受領・送付、監査文書の提出など)

Overview of nominations at organisation level

図2 – 誰が役割を指定し、取り消すことが出来るのか

Who can nominate LSIGN and FSIGN?

図3 – LSIGNとFSIGNの任命

FSIGNやLSIGNを指名するとき、LEARは研究者がプロジェクトのために適切なLSIGN/FSIGNを選ぶのに役立つコメントを追加できます(例:「スミス氏は2014年2月1日からX部によって実行されるプロジェクトに署名できます」)。このようなコメントは、異なる部門を持つ大きな組織で、FSIGNやLSIGNの責任範囲や期間を定義する際に役立ちます。

提案の役割

提案を作成する場合、参加組織と組織/提案の連絡窓口を定める必要があります。どちらも、申請オンラインフォームに設定されています。

助成金や賞金の場合:
提案には、以下の種類の参加組織が含まれます。
  • コーディネータ。コーディネータは1名のみで、他の参加組織がない場合でも申請することができます。申請を開始するには、すぐにコーディネータを指名する必要がありますが、申請前に後から変更することも可能です。
  • パートナー。提案には、1つまたは複数のパートナーを含めることができます。申請書に含まれるパートナーの数(およびパートナーが登録されている国などの他の側面)は、公募条件(すなわち、各提案の公募の特定の要件)に従います。
  • パートナーは、関連のある関係組織(Affiliated Entities)を含めることもできます(恒久的な法的または資本的な関連、または協会のメンバー、以前のリンクされた第三者など)。関係組織は、助成金に全面的に参加し、費用を請求することができます。関係組織は、すべての適格性条件を満たす必要があります(パートナーと同じ)。
  • 関連パートナー(Associated Partners)。この種の参加組織は、プロジェクトに貢献しますが、費用を請求することはできません。通常、どのパートナーとも関係がなく、資格条件を満たす必要はありません。
次に、各参加組織の連絡窓口担当者を定義する必要があります。連絡窓口には、2つのタイプがあります。
  • 主要連絡窓口。参加組織毎に1つ定義する必要があります。
  • 連絡窓口担当者。パートナー毎に1人または複数の連絡窓口担当者を定義することができます。さらに、コーディネータ/参加者連絡窓口(フルアクセス権)またはチームメンバー(閲覧のみのアクセス権)として、アクセス権の種類を定義することができます。
提案の役割は、その後、プロジェクトでの役割となります。
  • コーディネータの主要連絡窓口は、主要コーディネータ(PCoCo)となります。この役割は、EUに提案書を提出する申請書の作成者に自動的に割り当てられます。コーディネータの組織内で完全なアクセス権を持つ他の連絡窓口は、コーディネータ(CoCo)となります。
  • パートナーの主な連絡窓口は、研究者(PaCo)になります。
  • コーディネータ/パートナーの連絡窓口担当者は、申請書で閲覧権を持っていた場合、チームメンバー(TeMe)になります。
入札の場合:
入札には、次のような参加組織が含まれます。
  • グループリーダー。グループリーダーは1名のみで、それ以上の参加組織はありません。
  • グループメンバー。提出は、なし、1つまたは複数(なしの場合が多い)を有することができます。
入札公募では、1つの連絡窓口を提供する必要があります。連絡窓口は申請毎に1つ。この連絡窓口は、常にグループリーダーにリンクされています。
申請段階では、この役割だけが定義されます。その後、連絡窓口は、主要コーディネータ(PCoCo)なります。

プロジェクト/契約の役割

プロジェクトの役割に応じて、情報、文書、オンラインフォームに対して、閲覧のみの権利、閲覧と書込み、または閲覧と書込みおよび提出する権利を持つことができます。

役割 説明

(主要)コーディネータ

(PCoCo/CoCo)

主要コーディネータ(PCoCo)は、各プロジェクトにおいて、特定のプロジェクト/契約に関するコンソーシアムとEUの間の主な連絡窓口となります。デフォルトでは、ポータルで申請を行った者です。

PCoCoは、プロジェクト/契約に関するコーディネータ(CoCo)を指名/取り消しすることができます(人数に制限はありません)。コーディネータはPCoCoを取り消す権利以外は同じ権利を有します。

すべてのコーディネータは以下のことが可能です。

  • コンソーシアム内の他組織の参加者連絡窓口の指名/取消
  • 自己の組織のタスクマネージャーとチームメンバーの指名/取消
  • 自己のプロジェクトに対して、自己の組織での法律上の署名者と財務上の署名者を指名
  • ポータル上でプロジェクト文書を変更
  • EUサービスとのコミュニケーション、EUへの申請書やプロジェクト文書の提出

コンソーシアム内の他組織が申請にアクセスできるようになり、組織で他の役割を指名することを可能にするため、申請プロセスの比較的早い段階で、パートナー組織(およびその連絡窓口担当者)をリストアップしておくことが重要です。

研究者

(PaCo)

PaCo は、コンソーシアム内のコーディネータではない組織の代表者です。

組織は、プロジェクト毎に無制限に研究者(PaCo)を有することができ、各々は以下を行うことができます。

  • 自己の組織で他のPaCoを指名/取消
  • 自己のプロジェクト/契約に対して、自己の組織で他のPaCoを指名/取消
  • 自己の業務をコーディネータに提出
  • 自己の組織でのタスクマネージャーとチームメンバーを指名/取消
  • ポータルのプロジェクト文書の参加者関連部分を変更
  • EUのサービスに直接情報を提出(助成合意書により義務付けられている場合)

タスクマネージャー

(TaMa)

TaMaは、自己の組織の参加についての文書を作成、更新、アップロード、または組織の管理上のウェブフォームでプロジェクト情報を完成させる、修正する、削除するなどのいくつかの制限されたアクションを実行することができます。

組織は、プロジェクト毎にTaMaを制限無く有することができます。TaMaは、コーディネータやEUに情報を提出することはできません。

この役割は、提案の提出段階の間には用いられません。

チームメンバー

(TeMe)

TeMeには、検索と閲覧のみに制限されたアクセス権しかありません。

プロジェクトの法律上の署名者

(PLSIGN)

PLSIGNは、組織を代表して特定のプロジェクトの助成合意書(および修正)に署名する権利を有します。LEAR(またはアカウント管理人)は、まずLSIGN指名しなければなりませんコーディネータと各参加者(PCoCo/CoCo/PaCo)は次に、特定のプロジェクトのために、プロジェクトの参加者の法律上の署名者としてPLSIGNを指名することができます。

組織はプロジェクト毎に無制限の数のPLSIGNを有することができます。

プロジェクト/契約の情報に関しては、CoCo/PaCoと同じ権利を有します。PLSIGNはいかなる役割も割り当てる/取り消すことができません。

プロジェクトの財務上の署名者

(PFSIGN)

PFSIGNは、組織を代表して費用請求/請求書に署名する権利を有します。

LEAR(またはアカウント管理人)は、まずFSIGN指名しなければなりません。コーディネータと各参加者(PCoCo/CoCo/PaCo)は次に、プロジェクトの参加者の法律上の署名者として行動するPFSIGNを指名することができます。

組織プロジェクトにつき無制限の数のPFSIGNを有することができます。

プロジェクト/契約の情報に関しては、CoCo/PaCoと同じ権利を有します。PFSIGNはいかなる役割も割り当てる/取り消すことができません。

プロジェクト/契約の役割の概要

Overview of nominations at project level

図4 – 誰がプロジェクトの役割を指定し、取り消すことが出来るのか

Who can assign LSIGN and FSIGN to a specific project?

図5 – 特定のプロジェクトに対するLSIGNとFSIGNの任命

役割と関連した権利

Overview of access rights associated with roles
図6 – どの役割が、どの行為を実行できるか

指名プロセス

いくつかの役割は、申請情報に基づいて自動的に割り当てられます。

  • 提案を最初に行った者は、主要コーディネータ(PCoCo)となります。
  • 参加組織内の主な連絡担当者は、研究者(PaCo)となります。
  • 提案に対し閲覧権のみ有する者は、チームメンバーとなります。

一旦自己の組織が欧州委員会の認証サービスによって認証されると、ポータルへのアクセス権を管理するために、組織登録を行った方がLEARを指名することが重要です。

人物を指名/取り消す方法

役割を与えるためには、LEAR(またはその他の権限を持つ人がユーザーの電子メールアドレスを入力しなければなりません。このメールアドレスは、ユーザーがEUログインアカウントを開設したときに使用したアドレスと同じでなければなりません。

EUログインアカウントをまだ持っていない場合、自動的にアカウントを作成するよう案内が送信されます。

  • 組織の役割 - 役割を与え/取り消すためには、

      「My Organisation」>「Actions

    に進みます。

    プロジェクト/契約の役割 - 役割を与え/取り消すためには、

      「My Projects」>「Actions」>「Manage Consortium」>「Edit Roles」

    に進みます。

  •  

    コンソーシアム内で異なる役割はいくつ必要ですか?

    EUログインアカウントは、参加者により、どのような役割の組み合わせも可能です。したがって、ユーザーは、プロジェクト、契約、または組織のデータを管理するための様々な機能に対し、区別された一連のアクセス権を得ることができます。

    個人(自然人)である小さな組織または受益者については、1人の人物が自己の助成金を管理するために必要なすべてのアクセス権を兼務できることを意味します(すなわち、LEAR、CoCo/PaCo、PLSIGN、PFSIGN)

    プロジェクトにおけるコンソーシアムの最小限の構成は以下の通りです:

      ✓ 1人の主要コーディネータ(PCoCo)
      ✓ 受益者毎に1人の研究者(PaCo)
      ✓ 組織毎に1人のLEAR
      ✓ プロジェクトに割り当てられた組織毎に、1人のプロジェクトの法律上の署名者(PLSIGN)
      ✓ プロジェクトに割り当てられた組織毎に、1人のプロジェクトの財務上の署名者(PFSIGN)

    1人の人物は、同時に複数の役割を持つことができます。

    関係組織(または他のタイプの参加者:関連パートナー、外注先など)として参加する組織は、使用が許可されていないため、ポータルのアクセス役割は必要ありません。ポータル内のすべてのアクションは、リンク先のコーディネータ/受益者によって処理されます。

    Overview of roles a consortium has to assign in the Participant Portal to work on their project
    図7 – プロジェクトを実行する役割の最小限の構成はどういうものか?